商品説明
内容
「こんど、また遊んでね」
「こんども、こんども、また、こんどもね」
也子が出会った、ふわふわのしっぽの小さなきつね。
あしたも、きっときつねを探しに行こう。
そう思っていたのに――。
戦時下の広島でくらす、小学4年生の也子。
子ぎつねと次第に仲よくなっていく
つつましくも穏やかな日々が、
一発の爆弾によって、突然奪われます。
あたりまえの暮らしが奪われることこそが、非戦闘員までも巻きこむ戦争の恐ろしさであり、悲しみなのです。~あとがきより~
教科書に採用された『たずねびと』の著者による、新しい戦争児童文学の原点。
日本児童文芸家協会賞、赤い鳥さし絵賞受賞作品。
※本書は2008年に発行された『彼岸花はきつねのかんざし』(Gakken)の新版です。新版の刊行にあたり、全編を
通して表記を改め、表現の一部を加筆修正しました。
著者紹介
朽木祥 くつき しょう
広島市出身。被爆2世。デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞ほか受賞。
『彼岸花はきつねのかんざし』(Gakken)で日本児童文芸家協会賞、『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞、
『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞ほか受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。
ほかに『八月の光失われた声に耳をすませて』(小学館)など著書多数。ヒロシマを描いた「たずねびと」が2020年より
小学校教科書(光村図書)に採択されている。近年では『光のうつしえ』が英訳(2025年、独語訳)刊行され、2023年には
アラブ首長国連邦、ドイツの児童書フェスティバルに日本の作家として初めて招聘されるなど、海外での評価も高まっている。
ささめやゆき
東京都出身。 1985年、ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールで銀賞。『ガドルフの百合』(偕成社)で小学館絵画賞、
『真幸くあらば』で講談社出版文化賞さしえ賞、『あしたうちにねこがくるの』(共に講談社)で日本絵本賞、『彼岸花は
きつねのかんざし』(Gakken)で赤い鳥さし絵賞を受賞。その他の作品に『椅子―しあわせの分量』(BL出版)、
『ねこのチャッピー』(小峰書店)、『あるひあるとき』(のら書店)、『あひるの手紙』(佼成出版社)など、
多くの絵本・画集・挿絵を手がける。エッセイ集に『十四分の一の月』(幻戯書房)などがある。
備考